あめ



空から降り注ぐ
数え切れない数の水滴

洗い流す
汚れたものたちを
潤いを与える
渇いたものたちに
傷ついた想いを癒す
悲しむものたちの


雨に打たれて、濡れながら丸くなっている
あなたに差し出した傘
雨の滴が弾けて音を奏でる
流れ落ちる水滴が、雨と紛れて落ちていく
もう濡れているから
今ごろ傘を差しても意味がないけど
わたしはあなたを傘の中へと入れて
わたしは傘の外で雨に打たれる
ほっといてと
あなたは傘を投げ出して
わたしを見る


「わたしには、傘なんていらない。
だってわたしは汚れちゃってるから。
汚れたわたしには、傘を差す必要なんてないのよ。
わたしについた汚れたちを
雨の滴たちが洗い流してくれるから。
傷ついたわたしの想いを
雨の滴たちが優しく慰めてくれるから。
わたしには、傘を差す必要なんてない。
わたしには、傘なんていらない。
わたしは降り注ぐ滴たちを
ちゃんと受け取りたいの。」


あなたの頬に流れているのは
雨の滴? それとも涙?
地面に転がる傘
雨の滴が弾けて音を奏でて
わたしと一緒に濡れていく


空から降り注ぐ
数え切れない数の水滴

君たちはあなたに降り注ぎ
君たちはわたしに降り注ぎ
君たちは傘に降り注ぎ
君たちはわたし達のいる場所を降り注ぐ

君たちはあなたを慰めていて
君たちはわたしを潤していて
君たちは汚れているこの場所を洗い流している


絶えなく降り注ぐ
雨という名の水滴は
いつまでも降り注ぐ
何かを成し遂げるために




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