君のために・・・


   
僕は君のために、
身を張って、君を護る。
僕は君の血となり、身となる。
一心同体。君に降り注ぐ災難を、
君の代わりに僕が受け止める。
君を悲しませないように。。。
君のその優しい微笑みが消えないように。。。

だけど君には、
毎日のように悲しみと苦しみがやって来る。
君の優しい微笑み。
日を追うごとに薄れていって、
一滴、また一滴と涙を落とした。

「ねぇ、お願い。
私を忘れて。
このままだとあなたの体がボロボロになってしまうわ」

君の手首には赤い切り傷の跡。
君はとても冷たい手をして、
あの時の暖かさをなくしていた。
そして気づく、
今までの僕の行為は、
けして君を助けてはいなかったんだと。
すべては自分の自己満足にすぎなくて、
そのために君をさらに不安にさせて、
悲しませていた。

いつの間にか僕は、
君を侵す毒となっていた。
そして僕は気を落とし、
君の前から姿を消した。
君に合わせる顔なんてもう、
僕から無くなってしまったから。。。

時は過ぎ−−−
君から一通のメールが届いた。

「もう一度、あなたに会いたいーーー」

携帯をすぐに閉じ、
もう一度僕は、君の目の前に立った。
君は前よりやせ細っていて、
腕の傷もさらにひどくなっていた。
僕は君を優しく抱きしめ、
涙が落ち、君の頬を流れて、
君の口から滴る血と混ざり合った。
君の目からも涙が流れて、
そして血と混ざり合った。

僕は君を助けることが出来なかった。。。

君の前から僕が消えたあと。
さらに追い討ちをかけるように
君へ悲しみと苦しみが襲ってきては、
誰にも助けてもらうことなく、
最後に一通
僕にメールを送って
一人寂しく、君は旅立って逝った。

「もう一度、あなたに会いたい。
でもその時は、あなたに悲しみが来ないよう、
 死んであなたと逢うわ。
 私ってきっと、
 この世界のままでは、あなたと出会ってはいけなかったんだと思うから。。。
 大好きなあなたへ。
 幽霊になった私を怖がらないでね。。。」

雨が降り注ぐ。
僕は君を守るように、
強く抱き寄せて、
口と口。
君の血と僕の血を混ぜ合わせながら、
二度と離れ離れにならないよう
二度と君のもとへ災いがこないよう
茨生い茂る森の中で
二人一つになって
深い眠りについた。。。




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