私はルシフェル〜血に汚されし堕天使〜


  
  
空は暗黒 絶えなく降り注ぐは雨の水滴
手に赤い液体が滴るナイフを持ち
赤い液体で汚された羽を広げた天使は
雨に撃たれながら涙を流す

目の前には、赤き血で染められた息絶えし死者
踏み潰されしバイブルは雨に濡れ 字は水と滲みて消えてゆく
その者は私を侮辱し 私へ罵声を浴びさせた
だから私は、つい怒り狂ってその者を殺し
その者の愚かな行いを止めたのだった

私はエンジェル
純白を汚れし血で染めた者
私が行った愚かな行為に
神は必ずや罰を下さるであろう
嗚呼、何故私は愚かなことをしてしまったのだろうか
神よ どうか私に少しのお情けをお与えください

赤き汚れし翼 大きく羽ばたき向かうは天界
なんだか嫌な予感のする心情と共に
天界の方から向かってくる三つの天使の姿には
大きな網と拘束具を持って私のもとへとやってくる

彼らは、天界から送られし警察官
抵抗する私を無理やり網で捕らえ 拘束具で私の身動きを支配する
神は私を拘束し 暗黒街に放り込めと命じられた
彼らはそういって天界から反対の方へと向かう
囚人のように拘束された私を連れて

私はルシフェル
天から弾き出されし堕天使
もう二度とエンジェルには戻れない定めに
私は涙し 再び愚かな行いを悔やむ
嗚呼、ここから私はどうなってしまうのか
今はなき神よ 私はどの神に仕えればよいのでしょうか

壊れ荒れ果てた街 辺りは漂うは黒き霧
殺気漂う街の中で
武器と食料だけを残して去りゆく警察官は
去り際に黒いリングを私の首につけて去っていった

ここは暗黒街 殺戮と犯罪が日常のように行われ
いつ殺されてもおかしくない危険な場所
このまま殺されるのを待つか
それともさらにこの手を血で汚すか
残された武器を手にし 心に思い秘めるは私の決意

私はデス・ルシフェル
生きるために血で汚す堕天使
最初に起こした愚かな行為など忘れて
今の私の楽しみは他の堕天使達を殺すこと
嗚呼、私は死の神に仕えし者 殺す事こそ私の生きがいよ

真っ黒に染まりし翼 もうどこにも白など無い私
服は深紅の血の色で染まり
今日も一人愚かな者を殺した
頬を引きつって笑い 魂のない抜け殻をずたずたに切り裂く
私の主食はこの愚かな者たちの肉
もう私は堕天使でもない 私は血に飢えた死神よ

相変わらず空を支配するは黒き雲 光などここにはどこにもない
ここにいる者すべてが私を恐れ 恨みを抱いている
私は何のために生き
何のために殺しをしているのだろうか
血で汚れた手を見詰めながら ふっと一番大切なことを思う

私は選択を間違えしエンジェル
このまま生きていても汚れるだけの事
もう殺すことはやめよう
そして最後はこの手で
この怪しく輝くナイフと共に 胸をつらぬき
この愚かな事に終止符を打とう

もう私には、死ぬ事への恐怖などはない
だけど裁きを下されし神よ
やはり私は地獄へと落ちるのでしょうか
まだ生き残りし堕天使達よ
抜け殻になった私の体を使って恨みを晴らして下さい

嗚呼、意識が遠くなっていく
頭の記憶がものすごいスピードで消えてゆく
そして自分の何もかもが消えてゆく
嗚呼……嗚呼………






バイブル=聖書
ルシフェル=堕天使




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