たとえその言葉が嘘であっても……


   
窓辺
暗雲漂う月夜
満月の月光
下界を照らし
羽根を散らし
闇に病み 嘆く天使
這い込む荊に足を捕られ
冷たい鎖が胸や腕を縛る

滴る紅色の血 純白の衣を汚し
零れ落ちゆる涙が血に混ざり
明が暗となり 純が混となる

「私は神に見捨てられた堕天使
だれも愛してはいけない
永久に囚われ
闇の中で一人、儚き生涯を過ごすの」

縛られた鎖
端は闇の中
どこにが繋がっているのか それとも違うのか
這い込む荊 硬い壁で私を囲い
窓から眺める景色以外
私へ与えてはくれない
冷たく響く鎖の音
胸や心を締め付け
静寂と月光が私を駄目にしていく

荊の壁
一つの小さな穴
その先に貴方はいた
同じ囚われの身
翼に光はなく
闇に染み 病みて廃れてしまった
でも貴方の綴る言葉に光が宿り
私をいつも助けてくれた

小さな穴で綴る
あの時感じた まだ天使だったあの頃の甘い一時を
お互いに語り合い
涙を流し 同じ世界を夢見て
荊の棘で血を流し
一緒に囁きあった
「愛している」という言葉が
私達を結びつけ
そして愛しくさせた

もう貴方はいない
私より先に飛び立ち 逝ってしまわれたから
縛る鎖 捕らえる荊
けして貴方の後を追わせたりさせてくれなかった

今宵も私と貴方と二人
貴方が心の中へ残してくれた言葉達
大事に抱きしめて
詠い 囁き 想い
浅き夢の中で
お互いに身を預け合い
愛を語り囁きながら
静かな牢獄の中から
飛び立つの




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