雨なんて大嫌い


   
雨なんて大嫌い。
だって降りだすとなかなかやまないから。
学校から帰っている時なんかに降ってきたり、
傘を忘れて、濡れながら帰らないといけなくなる時なんかもっと大嫌い。

雨なんか大嫌い。
なんで雨なんかこの世の中に存在するの?
雨なんかこの世界から無くなっちゃえばいいのに。

―――だけどね。
雨が降らなくなった時の事を思うと、
もし雨が降らなくなったらこの世界はどうなるのかなって思うと、
私は怖くなるの。

雨が降らなくなると、
自然に咲いているお花たちが、水をもらえなくなって枯れてしまうのかな。
雨の水で溜まるダムの水や溜池が、全部蒸発して消えてしまうのかな。
そして水不足になって、水と得るために争い事が起きるのかな………

ああ、なんだかそんな事を考えていると怖くなって、
雨なんか大嫌いなって言えなくなってくる。
ねぇ、雨なんか大嫌いなんて思うことはいけない事なのかな。
雨なんか無くなっちゃえばいいなんて、決して思ってはいけない事なのかな。
もしかして私って、悪い子なのかな………

―――だけどね。
雨の事が好きや嫌いなんて、人の自由だって、
本当に願いがかなってしまう魔法のランプの魔人の前じゃなければ、
雨が嫌いだって言っていいって、
お母さんが私に言った。
お母さんの一言に、私は安心して、胸を撫で下ろす。
だから改めて私は言うの。
私は雨が大嫌いって。だけど少しだけ、雨が好きって。




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